「長年使っていなかったピアノを、もう一度弾けるようにしたい」
そんなご依頼をいただきました。
ピアノは製造から50年ほどのヤマハです。
お客様のご希望は、調律・メンテナンスに加え、変色してしまった白鍵を新しく張り替えて、見た目もきれいによみがえらせたいというものでした。
そして、ピアノを見せていただくと…
思いがけない内部の痛み
白鍵の変色も気になりますが、写真を見ると鍵盤同士の間隔が不揃いで、鍵盤の高さも凸凹になっているのがお分かりいただけると思います。弾いてみると鍵盤がぐらぐらと大きく横揺れします。なぜこのような状態になってしまったのでしょうか。
内部を詳しく点検してみると、予想していなかった問題が見つかりました。クロス、フェルトに広範囲の虫食いが発生していたのです。さらに、ネズミが侵入した跡もあり、一部の部品には演奏に支障が出るほどの痛みがありました。
見た目以上に内部は深刻でした。
虫食いで痛んだ部品を交換
鍵盤を支えるクロスが虫食いで痛んでいました。
交換後はこちらです。
鍵盤横揺れの原因
鍵盤側のクロスも虫食いが進んでいました。
新しいクロスに張り替えました。
ネズミによる被害
ネズミはこのようにフェルト部品をちぎって運び、ピアノ内部の鍵盤下にあるスペースに巣作りします。このフェルトも張り替えました。
ところでネズミはどこから入るのか。それは、足元の3本あるペダルのうち、真ん中のペダルの左側にある小さな開口部からです。ネズミがいるかもしれない環境では、ここを塞げば入りません。
ハンマーを本来の形に整える
弦をたたくハンマー先端が消耗、変形しています。
たまご型だったハンマー先端が硬い平面になると、硬く鋭い音色になりがちです。
また、消耗具合がハンマーによって異なるため、音色が揃いにくくなります。
ハンマー先端を削って形を整えました。このピアノ本来の音色が復活します。
白鍵を張り替えて美しく
完成したピアノをご覧になったお客様からは、
「全然違いますね!」
と、とても喜んでいただけました。
長年使われていなかったうえに、虫食いやネズミの被害もありましたが、痛んだ部分は修理して、再び気持ちよく演奏できる状態まで回復しました。
昭和のピアノは良質な材料で丈夫に作られているものが多く、長年眠っていたピアノでもよみがえらせることができます。
何十年も弾いていないから無理かもしれない…
そう思っているピアノでも、ぜひ一度ご相談ください。
*写真や作業内容の掲載については、事前にお客様のご了承をいただいています。
